自然との共存

「わしらはみんな自然の一部じゃけんの。やからこそ、牛や豚やトリば殺して食べさせてもろうとるし、魚やって生き物やし、野菜や果物やって生き物やけんな。みんな自然の仲間内やからこそ許してくれると。まあるくおさまっとる。人間は自然の一部である生き物ば殺して食いよるけん、そのかわりに自然の一部でである海や川、山や大地に命を捧げないかんこともあると。
生きとるいうんはそういうことたい。生きとる限りは嫌でも死なんといかん。誰でもそうたい。
生きて死んで、そいでいのちはちゃんとしたいのちになるけんね。みんな死ぬけん、みんな生まれる。こん川や海は、そういういのちのおかあさんみたいなもんたい。やから絶対に恨んだり憎んだりしたらいけんとぞ。」

幻影の星 祖父のことばより 白石一文